OMOTEOコラム

知っていると男っぷりがあがる! 日本の文化豆知識 -1

Fashon

「見えないところにお金をかける」
男のオシャレのはじまりは江戸時代だった!?

 男のオシャレには靴やペンなどの文房具、財布や名刺入れなどの小物といった「目立たないアイテムにこだわる」という流儀がある。
 このような「オシャレのありかた」、じつは江戸時代の男たちの間ですでに行われていた。
 厳しい身分制度があるものの、武士よりも位の低い町人のほうが裕福であることも少なくなかった時代。
高価な素材や凝った細工をほどこした装いを楽しんでいた様子が現存する浮世絵からもうかがえるという。
 当時の男たちのファッションリーダー的な存在は歌舞伎役者。有名な市松模様は歌舞伎役者の佐野川市松が使った石畳模様が人気を博して生まれたものだ。
人気のある役者が身に着け、好んだ模様や色を庶民が真似をしてその時代の流行が誕生する、というのは現代とまったく変わるところがない。
 江戸時代には浮世絵を用いた絵や冊子も出版されており、いまでいうところの「ファッション雑誌」に相当する、着こなしを指南するスタイルブックのようなものも刊行されていた。
 オシャレに装うことが「モテる」ためには欠かせない、という価値観も江戸時代から存在していたのだ。

奢侈禁止令と庶民のオシャレ心の攻防で生まれた「裏勝り」

 江戸の庶民がオシャレを楽しむ一方で、幕府はしばしば「奢侈禁止令(贅沢禁止令)」を出した。
派手な色彩のものを身にまとうことが禁止され、「パッと見」で分かってしまうようなオシャレをするわけにいかなくなった江戸の庶民たち。
グレーや紺といったダークな装いを強いられた。しかし、地味な装いではオシャレする喜びを知ってしまった心は満たされない。
 そこで考え付いたのが、裏地などに凝る「裏勝り」(ウラマサリ)というオシャレだ。羽織の裏地や着物の下に着る長じゅばんの背中は、着物を着ている限り人目に触れることはない。
そうしたところに、華やかで豪華な絵柄や細工をほどこすことで「見えないオシャレ」を楽しんだのだ。
 もちろん、奢侈禁止令は女性にも適用されていたため、女性たちも法の目をかいくぐるオシャレを探求していった。
浮世絵を見ると、女性のファッションリーダーであった花魁のかんざしの先端が「耳かき」のようになっている作品をみかける。
あれは「装飾品のかんざしではなく、実用品である耳かきである。いつでも使えるように髪にさしているだけ」というためだったのだという。

現代の男たちもじつはけっこう「裏勝り」
  
 ビジネススーツといえば、黒、紺、グレーが一般的。ダークブラウンでも目立つほどだ。
しかし、わりと裏地がカラフルだったり、ネクタイに気を使ったり、見渡すと現代の男たちも、ビジネスマンとして逸脱しない程度にオシャレを楽しんでいる。
カバンや財布といった革小物にこだわる派も多い。江戸の男たちもキセル入れなどの小物に気の利いた細工や技巧を施して愛用していたようだ。
 要するに「オシャレをしたい」というマインドも、その矛先も今も昔も変わらないということなのだろう。
 ちなみに、下着へのこだわりというのも江戸の男にもあったようだが……。意外なことに、ふんどしにはレンタルというシステムが存在していた。
「ここ一番!」のときには勝負ふんどしをレンタルしていたという。「ここ一番のときには勝負下着」というのは理解できるが、レンタルふんどしについては、いささか現代人には共感しにくい。
 とはいえ、「派手な裏地」というと、裏地に竜や虎のたけだけしい刺繍がほどこされた学ランを着ていたツッパリを思い出す人も多いことだろう。
彼らは裏地の刺繍のクオリティを競い合ってもいた。校則で決められた制服をギリギリのところでカスタマイズして、裏地をど派手にする……。
その精神性は江戸時代そのままだったのではないだろうか。

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